音符の一音の表情を表す『アーティキュレーション』!
複数の音の表情を表す『フレージング』に対して、音符の一音の表情を表すのが『アーティキュレーション』です。
演技などの表現では、『滑舌』とも言われています。
『滑舌』は、言葉を歯切れよくハッキリとさせるために行うものですが、『アーティキュレーション』は、音楽の世界からきているため、歯切れやハッキリとさせるだけでなく、その言葉の持つ表情をも意識したものです。
台詞やコメントは、言葉の集合体です。その中にあって、『アーティキュレーション』は最も重要だと思います。
もう一つ!『アーティキュレーション』は『フレージング』との組み合わせが大切です。
全体の世界観は、細かな部分によって成り立ってますからね!
それでは、ここでも『外郎売り(ういろううり)』を使ってご説明します。
<第一段落>
拙者親方と申すは、お立会の中に
御存じのお方もござりましょうが
お江戸を発たって二十里上方
相州小田原一色町をお過ぎなされて
青物町を登りへおいでなさるれば
欄干橋虎屋藤衛門、只今は剃髪致して、
円斉と名のりまする。
上記を区切ってみます。
/(青スラッシュがフレージング)
[ ](アーティキュレーション)で表示します。
[拙者][親方]と[申す]は/[お立会]の[中]に
[御存じ]の[お方]も[ござり]ましょうが/
[お江戸]を発たって[二十里][上方]
[相州][小田原][一色町]を[お過ぎ]なされて
[青物町]を[登り]へ[おいで]なさるれば/
[欄干橋][虎屋][藤衛門] [只今]は[剃髪]致して/
[円斉]と[名のり]まする。
細かくはなりますが、このようにしてみました。
上記は、私の区切り方ですので、演者によっても変わると思いますが、参考例としてみてください。
『アーティキュレーション』は『滑舌』とも言われているので、[赤字]以外の部分も気を付けなけれないけないのですが、主には、[赤字]の 部分に話し手の『思い』や『問いかけ』『街のイメージ』『距離』『行動』などの情感を込めて、明瞭につたえるようにします。
ちなみに、『フレージング』は、観客の注目を遮らない部分などを考慮して行ってみました。
『フレージング』と『アーティキュレーション』の関係を意識しながら、より高度な表現をしてみてください。
みなさん、ファイトです!!!!!